インタビュー

「地域で一番を目指す」その言葉に僕も挑戦したいと思った——技士長としての責任と成長

「地域で一番を目指す」その言葉に僕も挑戦したいと思った——技士長としての責任と成長

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理学療法士の原口さんは、月70〜80時間の残業に追われ、3日に1回しか子どもと顔を合わせられない日々を送っていました。「同じ家に住んでるのに、久しぶりやなって言われる」そんな急性期病院時代に終止符を打ち、訪問看護という新たなフィールドへ。

「地域で一番になりたい」と真っ直ぐに語る代表の言葉に惹かれ、10年以上のキャリアを携えて飛び込んだfirstでの日々。

金曜の夕方に「明日見てほしい」と言われれば、土日でも駆けつける。断らない訪問看護の最前線で見つけた、訪問看護の本質とは。

「誰と働くか」で決めた転職──救急病院からの決断

——入職の決め手は何でしたか?

転職の軸を、働く場所から働く人へと変えたことが決断の理由でした。これまで「どこで働くか」ばかりで転職を決めてきたんですけど、今回は「誰と働くか」で決めてみようかなって思ったんです。

もともと代表の髙橋とは知り合いでした。会社をやっていると知っていたので話を聞いてみたときに、そこで聞いた「一番になりたい」という言葉に心を動かされました。

代表はよく言うんですけど、他の人は一番になりたいなんてなかなか言わないじゃないですか。一番を目指すなら、そのお手伝いができたら良いなって思ったんです。

——入職前に不安はありましたか?

いや、あまりなかったですね。10年以上の経験があるから、何かあっても自分で何とかしないといけないし、病院から訪問看護に変わることへの不安も特にありませんでした。

急性期病院での勤務はとにかく忙しくて、月の残業は70〜80時間。帰宅は毎晩23時で家に帰ったら寝るだけ。

子どもとは3日に1回くらいしか会えないし、同じ家に住んでるのに「久しぶりやな」って言われていたくらいです。少し落ち着いて仕事ができれば良いかなと思っていました。

うさ耳写真と「断らない医療」──firstってこういう会社だ

——入職後に「firstってこういう会社だな」と思った出来事はありますか?

地域の医療機関に配布するPR資料用に、うさ耳をつけた自己紹介写真を撮りました。めちゃくちゃ恥ずかしくて二度とやりたくないです。入職早々、何やってんだこの人って感じでしたよ(笑)

でも、この一件はfirstという会社の本質を象徴していると思います。型破りで、常識にとらわれない。そして何より、利用者さんのためなら、どんなこともやってみる柔軟さがあります。

その本質を、もっと深く実感した出来事がありました。金曜日の夕方に「この人、明日見てほしいんやけど」って言われたときに「行きます」と。週末の対応を渋る訪問看護ステーションが多い中、firstは困ってたら行く。このフットワークの軽さが、まさにfirstらしさだと思います。

——入職してみて、ギャップはありましたか?

少し落ち着いて仕事ができればと思っていたけど、やっぱり忙しいです。ただ、病院とはまた違った忙しさですね。

病院はそのときそのときで対応して終わることが多いんですけど、訪問看護だと1週間に1回あるいは2回と介入できる頻度も少ないので、その間に何かあったときの判断がちょっと難しいと思うことはあります。

でも、それ以上に訪問看護ならではのやりがいを感じています。

——代表と副代表の印象は?

有言実行、やると言ったことは絶対やります。代表はこれまでランニングに全く興味がなかったんですけれど、1度火がついたら凄まじく、ランニングを始めて10ヶ月でハーフマラソンを1時間50分台で完走したぐらいです。

でも、最も影響を受けたのは、二人の仕事への姿勢です。利用者さんと真摯に向き合うその姿勢と妥協しないところですね。

「昨日は買い物に行けた」──生活の中で実を結ぶリハビリ

——理想のケアに近づけたと感じた瞬間はありますか?

利用者さんが目標を達成して卒業していくときですね。もともと訪問看護でリハビリをするときって、「こういうことができるようになりたい」という理由があるので、設定したゴールをちゃんと達成できて、卒業できたときには一番やりがいを感じます。

そして、何より嬉しいのは、訪問時に聞かせてもらえる利用者さんの言葉です。「昨日は主人とあそこまで行って買い物してきた」とか、今までできなかったことが生活の中でできたっていうのを聞くのが嬉しいですね。

病院では、退院後の患者さんの生活を知ることはほとんどありません。でも訪問看護では、リハビリの成果が日常生活の中で実を結ぶ瞬間に立ち会えるんです。

——仕事で一番大切にしていることは何ですか?

代表から受けた影響が、仕事への姿勢を形作っています。やっぱり利用者さんと真摯に向き合う姿勢が大事だと思います。

一番を目指すと言ったら、本気で目指す。利用者さんのためと言ったら、金曜の夕方でも翌日の訪問を引き受ける。

その背中が、日々の仕事への向き合い方を教えてくれていますし、自分も大切にしたいと思っています。

技士長として、採用した人が活躍する喜び──責任と成長

——技士長を任されて、何が一番変わりましたか?

責任の重さと、成長の機会を同時に実感しています。もともと前の職場で主任をやっていて、firstでは技士長として部門の責任者を任されているんですけど。こういう機会は限られているので、技士長を任せてもらえることが良い経験になって成長できるのかなと思っています。

特に採用業務は、大きな学びでした。病院だったら、上司が履歴書をポンと渡してきて「この子どう思う?」みたいな感じで、実際の面接の場には出ませんでした。でも、訪問看護では病院ほどたくさん採用しないので、実際に会った人を選ぶというのが、最初はすごく難しいなって感じました。

firstでは、採用時に評価シートを用いています。それでも、人を見極めるのは簡単ではありません。そして、病院との一番の違いを感じるのは、守るべき存在ができたことです。

病院だと自分より上の人がいるので、何かあってもカバーしてくれる。でも今は、自分が上なので守らないといけない。そういう難しさと責任を感じます。

——技士長として、成長を感じた瞬間はありますか?

一番はやっぱり、良いスタッフが入職してくれたことですかね。採用は本当に難しいので。でも、現場からの評価が採用の成功を証明してくれます。

訪問先で利用者さんにすごく喜ばれたりとか、ケアマネージャーさんに「サービスが良かったからまたお願いしたい」って言われたりすると、彼らを採用して良かったなって感じますね。

面接はほぼほぼ出ています。自分が採用した人たちが現場で活躍し、利用者さんやケアマネージャーさんから評価される。それが技士長としての最大の喜びであり、成長を実感できる瞬間なんです。

——チームではどう助け合っていますか?

リハビリは担当制ですが、お互いに支え合う体制が整っています。休みを取るときって、訪問をお休みにするか振り替えるかをしないといけないんですけど、そこはお互い助け合っています。僕もお願いしていますし、お願いされることもあるのでお互い様。休みやすいと思います。

担当制ですが、週に2回の利用者様には他のリハスタッフと併診制にしたり、時間に空きがあれば難渋している利用者様に同行して助言をさせてもらったり、1人が全ての責任を負わない、リハビリ部門として互いをサポートできる体制を取れるよう心がけています。それがチームとしての強さにつながっているのだと思います。

1時間単位の有給、平日18時帰宅──取り戻した家族の時間

——働き方で、ありがたいなと思った瞬間はありますか?

1時間単位で有給が取れる柔軟さが、生活の質を大きく変えました。半休を取らなくても、ちょっとした用事が済ませられます。

夕方に最後の2時間が空いて、もう今日何も予定がないってなったら、そこで受診したり役所に行ったりできるのがありがたいです。この柔軟さが、働くうえでのストレスを軽減してくれていると感じています。

——プライベートのバランスは変わりましたか?

生活が劇的に変わりました。病院勤務の頃は、平日のプライベートはほぼありませんでした。帰宅が23時とかで家に帰ったら寝るだけ。残業は月に70〜80時間ほどでした。

firstで働くようになって、何より家族との時間が増えました。同じ家に住んでいるのに「久しぶりやな」って言われたりしてたんですけど、今は小学6年生と小学1年生の2人の娘と、毎日顔を合わせられます。

——仕事後は何をされていますか?

時間的・精神的余裕が生まれて、新しい習慣ができました。ランニングしたり、筋トレしたり。子どもとゆっくり1日のことを話したりとかですかね。

社内では、副代表の辻さんが始めたランニング文化が広がっていて、平日は仕事終わりに8キロくらい走っています。走っているときに「あのとき、もうちょっとこういう風にしたらよかったな」とか考えるんです。振り返りながら、次の訪問に向けて準備する。そんな余裕が今はあります。

余裕が生まれて、家族関係も良い方向に変わりました。これが最も大きな変化かもしれません。

「何とかしてくれる」セラピストへ──5年後の自分と、firstの未来

——今、新たに身につけたいスキルや資格はありますか?

理学療法士としての専門性を高めることが、信頼につながると思っています。いくつか資格は持っているんですけど、認定理学療法士や心不全療養指導士など、新たな資格の取得を計画しています。

——5年後、専門職としてどんな自分になっていたいですか?

目指すのは、周囲から頼られる存在です。5年後というか、ずっと思っていることなんですけど。

後輩のスタッフや看護師さん、ケアマネージャーさんたちに「あのリハビリの人にお願いや相談をしたら、何とかしてくれるのではないか」というセラピストになりたいと思っています。

——自分自身、今どのような未来を描いていますか?

地域から選ばれる存在になることが目標です。地域のケアマネジャーさんや医療機関、利用者様に「なんか良い訪問看護ないかな」って誰かが聞いたときに、「first良いよ」って言ってもらえるような会社であり、自分でありたいなと思っています。

そのためには、もちろん個々の知識や技術もそうですけど、やっぱり地域で関わる方々としっかり連携していけるような組織づくりが大事になると思います。

一人ひとりの専門性を高めながら、地域とのつながりを深めていく。それが、firstが目指す未来です。

——これから入る人に伝えたい、firstのリアルは?

firstは、真に必要とされる訪問看護を実践している会社です。訪問看護といっても、リハビリに特化していたり精神科に特化していたり、さまざまです。でも、現代社会が求めているのは、firstみたいな訪問看護じゃないかなって思うんです。

たとえば、他の訪問看護ステーションさんでは対応が難しいとされそうな重症度の高い方もちゃんと対応します。「断らない」それがfirstの矜持です。

「一番を目指す」その背中を追いかけて

「一番になりたい」と語る代表の背中を追いかけながら、理学療法士として、技士長として、日々成長を続けている原口さん。月80時間の残業から解放され、家族との時間を取り戻した今、訪問看護という仕事の本質に向き合っています。

断らない医療、シームレスな支援、そして利用者さんの生活に寄り添うリハビリ。金曜の夕方に依頼が来ても、翌日の土曜日に訪問する。そのフットワークの軽さを支えているのは、一人ひとりのスタッフの専門性と、チームとしての柔軟性です。

「何とかしてくれる」と言われるセラピストを目指して、今日も地域を走り回っています。

——最後に、これから応募を考えている方にメッセージをお願いします。

訪問看護は、病院とは違う難しさがあります。コミュニケーションの取りづらさ、判断の難しさ、限られたリソース、だからこそやりがいがあります。

利用者さんが「昨日、主人とあそこまで行って買い物してきた」と笑顔で話してくれる瞬間。それは、病院では味わえない喜びです。

firstは、断らない訪問看護を実践する会社です。どんな利用者さんにも、私たちはしっかり向き合います。

「一番を目指す」──その志に共感できる方、利用者さんの生活に真摯に向き合いたい方。私たちと一緒に、訪問看護の最前線で働きませんか?