インタビュー

在宅未経験、ブランクあり、3人の子持ち。それでも挑戦できた理由

在宅未経験、ブランクあり、3人の子持ち。それでも挑戦できた理由

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総合病院で7年勤務し、2年のブランクを経て老人保健施設へ。訪問看護は初めてで、比較のしようがないまま迷っていた藤井さんが、面接前に話を聞く機会をくれた代表の言葉に背中を押されました。

「パートで子育てしながら働く人がいないから、働き方のベースはまだできていない。でも、藤井さんが来たら整えていきたい」。

自分の看護観とこれまでの経緯をしっかり聞いたうえで、そう言ってくれた。スタッフのことを考えてくれる職場だと思い、藤井さんはfirstの扉を叩いたのです。

藤井さんの1日に密着した動画も公開されておりますので、ぜひ覗いてみてください。

「こういう看護がしたい、こういう働き方がしたい」が一致した

——入職の決め手になったことは何でしたか?

ホームページとInstagramです。訪問看護で探していましたが、求人を見ても社内の様子はなかなかわからなくて…。

でも、firstのホームページやInstagramには、事務所の方向性やミッション・ビジョン・バリューが明確に掲げられていました。「こういう看護がしたい」「こういう働き方がしたい」と思っていたことと一致していて、理想的な働き方が言葉になっているように感じたんです。

当時のInstagramの内容は今とはまた少し違いますが、スタッフの様子や雰囲気が手に取るようにわかり、ぜひ一度お話しをしてみたいと思って問い合わせました。

——他の職場と比較して、firstを選んだ理由は?

訪問看護という分野が初めてだったので、正直比較のしようがないというか、なかなか決め手がなくて迷っていました。ただ、firstは面接の前に一度お話しする機会をいただけたんです。代表と話したときに、自分の看護観やどのような経緯でここまで来たのかといったことをしっかり聞いてくれました。

そのうえで、私はパート勤務を希望していたのですが、「今は子育てしながらパートをしているスタッフはいないので、働き方のベースはまだできていないけど、藤井さんが入ってそういうところも整えていきたい」と言ってくれたんです。

自分の意見をしっかり聞いてくれて、スタッフのこともよく考えてくれる職場だなと思いました。

 風通しのいい、クリーンな職場

——実際に入ってみて、入職前とのギャップはありましたか?

入職前にホームページやInstagramで抱いていた印象と大きなギャップはありませんでした。むしろ、すごくクリーンで風通しのいい職場だなと感じました。

——入職するときに何が一番不安でしたか?

7年間の総合病院勤務し結婚を機に退職、2年間は家事育児に専念、その後は老人保健施設で働いていました。医療からは少し離れた環境でしたし、訪問看護も未経験なので、判断に迷う場面が増えるのではないかと不安でしたね。

加えて、子どもがまだ小さく、病気や学校行事で休んだり、早退や当日欠勤が増えたりするかもしれないことへの申し訳なさもありました。「みなさんにご迷惑をかけるのでは…」という不安も、ずっと胸の中にあったのが正直なところです。

——実際に働いてみて、大丈夫だと思えたきっかけはありましたか?

入った当時は教育体制が今のように整っていませんでしたが、個々で気にかけてくれ自然とフォローしていただける環境でした。とにかく何でも聞きやすい環境なので、すぐに大丈夫だと思えました。

困ったときに電話をすると、その場で解決してくれたり、アドバイスをくれたり。訪問から帰ったあとに「こういうことをしてきたんですけど、それで大丈夫でしたか?」と聞いたら、みなさん自分の仕事の手を止めて相談に乗ってくれます。

話しかけやすく、相談しやすい環境が、何よりの支えになりました。

空き時間の相談が照らした信頼の形

——入ってすぐ「firstってこういう会社だな」と思った出来事は?

訪問看護ではスタッフがそれぞれが単独行動のため動くので、個人で動いたり考えたりする機会が多いのかなと想像していました。

ところが、社内ではコミュニケーションが活発で、情報が飛び交っている。利用者さんが好きで、医療が好きで、同じ方向を向いて看護や医療を提供している。事務所にいるだけで、その空気が伝わってきました。

それから、忘れられないエピソードがあります。一人で訪問に出るうちに、ときどき空き時間ができて、その時間をどう使えばいいか迷うことがありました。そのことを相談したら、「藤井さんがサボってるなんて誰も思ってないから。うまく時間を使ってきたらいいんじゃない」と言われたんです。スタッフ同士が信頼し合っているチームなんだなと感じました。

——病院勤務時代との違いは?

総合病院では、毎年新人さんが入ってきて新人教育をしていきますが、firstには一人で行動し、判断し、それぞれが「どういう看護がしたいか」「どういうリハを提供したいか」という強い意志を持ったスタッフが揃っています。

個々を信頼し、尊敬し、分かち合う空気が、病院時代とは違うと感じていますね。

娘さんとの触れ合いの場を。「おててサロン」が残した日記

——振り返って、「あれは挑戦だった」と思う仕事はありますか?

「おててサロン」です。がん末期の40代後半の女性で、小学生の娘さんがいましたが、もうすぐ亡くなることを娘さんには伝えていませんでした。ご本人様も「もう少ししてから…」と、告知を伸ばしていたんですね。

だんだんご本人もぐったりしてきて、娘さんが気を使って近寄らなくなってしまった…そんな経緯をポロっと話してくれました。そこで、母子でコミュニケーションを取れる場をつくれないかと考え、ハンドケアや足浴、ネイルケアなどを提案しました。

娘さんにとってはお母さんとの触れ合いの場に、お母さんにとっては娘さんからの気持ちを受け取る機会に。医療者としてのエゴかもしれませんが、「お母さんが亡くなったあと、娘さんが療養生活をいい経験として思い出してくれたら」という想いがありました。

——実際にやってみてどうでしたか?

ご本人は涙を流して喜んでくれました。そして、日記をつけてくれていたんですね。亡くなったあとにご主人がその日記を見たとき、おててサロンをした日には感想がすごくたくさん書いてあったと教えてくれました。

おててサロンは、主任や担当のケアマネジャーと相談して、娘さんとは交換ノートでやりとりしながら、約1週間かけて計画を立てて実現した取り組みでした。

緊急をみんなで取り合う職場

——「ここでなら成長できる」と実感したのはどんなときでしたか?

firstは、わからないことや不安なことをそのままにしない環境で、チームで解決する力があります。特に緊急時のスピード感は、スタッフが助け合っていることを実感します。

事務員さんが緊急の電話を受けると、「〇〇さん来てください」という連絡がLINEに入ります。すると、「私が行きます」「私のほうが早いと思います」「今、手が空いているので行けます」と、いい意味で仕事を取り合うんです。

緊急の連絡をマイナスに捉えて「行きたくない」と言う人はおらず、みんながサッと動いて、サッと判断する。自分が難しいときは「誰か行ってくれませんか」と送れば、「じゃあ僕が行きます」「私が行きます」とレスポンスが早い。

処置が長引いて次の訪問と重なったときも「スケジュール変わってくれませんか」と頼めば、「すぐ行きます」と変わってくれます。フットワークが軽く、前のめりで、弱音もわかってくれるので、何かあっても大丈夫だなと安心して働けています。

——代表・副代表はどんな存在ですか?

代表は、とにかくコミュニケーションを大切にしてくれます。ちょっとした会話を大切にしているというか、「お子さん大丈夫ですか?」などとよく声をかけてくれますね。利用者さんで困っていることがあれば先生につないでくれますし、相談の仕方や人との向き合い方がお手本になります。

そして、いろいろなことを覚えています。好きだと言ったら、お土産で買ってきてくれたりするんですよ。そういう気遣いが人として尊敬できる部分が多いです。

副代表の辻さんは、すべてを受け入れてくれる存在です。何事も「いいよ」「いいと思いますよ」という感じで、否定しないんですよね。辻さんがいるからこそのバランスが、firstの相談しやすい土壌をつくっていると思います。

「自分には何もない」から2年で変わった──在宅経験なしでも挑戦してほしい

——「理想のケア」に近づけたと感じた瞬間は?

週1回や2回の訪問のなかで名前を覚えてくれたり、私が伝えたことを実行してくれたり。些細なことでも利用者さんの頭の片隅に残っていることがわかると、看護師としての存在ややりがいを強く感じます。

病院時代は患者さんに名前を覚えられることも少なく、必要なケアをこなす日々だったように思います。今はその人に必要なケアを考えて、長期的に、安全に、穏やかに自宅で生活できるような看護ができている実感があります。

——新たに身につけたいスキルや資格はありますか?

在宅看護指導士とフットケアです。フットケアに関しては、爪切りができていない方が多いのと、糖尿病をお持ちの方も多いので、足のケアは大切だなと実感しています。

在宅看護指導士は、もっと在宅を基礎から学びたいと思ったからです。自分の知識を充実させるためにも、取ってみたいなと思っています。

——今どんな未来を描いていますか?firstでどうなっていきたいですか?

firstには得意分野を持つ人が多く、キャラクターの強いスタッフばかりなので、入職当初は自分には何もないと感じていました。知識が古かったり曖昧だったりしていたので…。

でも、そのことに気づけたからこそ「これじゃダメだったんだ」と理解し、成長するには何をしたらいいか考えるきっかけになりました。学ぶ機会は自分で取りにいく。加えて、事務所にいるだけで情報が入ってくる。firstで働いているだけで、自然とスキルアップできていると今は実感しています。

これから入ってくる方も、「こういう看護がしたい」という気持ちがあれば、ぜひ挑戦してほしいと思います。フォローや相談、教育の部分で「在宅は楽しい、やりがいがある」と思ってもらえるような関わりをしたいですね。

諦めずに少しずつ積み上げていく──子育てと看護を両立できる場所

——柔軟な働き方を「ありがたい」と思った瞬間は?

時短勤務は、私の入職をきっかけに始まった制度です。保育園のお迎え時間を逆算した就業時間、パートの30時間を満たすために週1日だけ半日にしてもらうなど、いろいろと調整していただきました。

急ぎでなければ報告は翌日にしたり、主任さんにお任せして情報だけ渡したりといったこともできるので、切り替えがしやすいですね。

病気や学校行事などでの休み、半休・時間休も柔軟に取りやすい環境です。前職の老人保健施設では看護師が一人で、休んでも電話がかかってきて、子どもが熱で休んでいるときも頭が仕事モードになってしまっていました。でも今は、仕事が終わったら終わりと境目がはっきりしています。

——プライベートや家族との時間の使い方、プライベートとのバランスは変わりましたか?

変わらないです。ペースを崩さずに働けるように配慮していただいています。ゆくゆく子どもたちの手が離れたら正社員で働いて、子育て世代を支えていけたらいいなと思っています。その為にも何事も無理せず自分のペースで継続していくことが大切だと感じています。

家庭と仕事を両立出来る環境、就業時間外を使わず学べる機会、切り替えのできる環境。自分が今してもらっているような体制を整えていきたいですね。

子育てを経験した訪問看護師は生活の部分に目が行きやすく、大事な人材だと思っているので、そういう方が増えてほしいと思っています。

看護が好きで、自分のしたい看護がある人と働きたい

firstは、看護師としても人間としても積み重ねられる場所だと藤井さんは語ります。

firstに向いているのは、看護が好きな人。自分がしたい看護やなりたい自分があり、firstのビジョンと合っている人。そして、体力がある人。

「自分には何もない」と感じていても、やりたい看護がある、こういう看護がしたいという気持ちがあれば、ぜひ挑戦してほしいと思っています。

——最後に、これから応募を考えている方にメッセージをお願いします。

firstは、一人ひとりの看護観や希望する働き方を本気で聞く職場です。パートで子育てと両立したい、在宅経験はないけれど学び直したい。そうした希望を、制度のないところから「整えていきたい」と迎え入れてくれました。

スタッフ同士の信頼、緊急時の「じゃあ私が行きます」というスピード感、おててサロンのようなその人らしい最期を支える挑戦。どれも、看護が好きで、同じ方向を向いているからこそ生まれる空気です。

在宅の経験がなくても、迷いや不安があっても、聞きやすくて相談しやすい環境があり、フォローする体制があります。もし自分には何もないと思っていても、やりたい看護があれば、一歩を踏み出してほしいです。

看護が好きな方、こうなりたいという目標がある方、firstのビジョンに共感する方と、一緒に働きたいと思っています。firstは、諦めずに少しずつ積み上げていける場所です。あなたの「こういう看護がしたい」を、ここで形にしませんか?